お母さんになる心の準備①「娘」から「母」へ(藤澤真莉(1))

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「妊婦さん」というと、一般的には幸せいっぱい、明るい未来にワクワクして
過ごしている女性をイメージされるかと思います。
しかし、妊娠・出産は、女性の人生の中で、心も体も、最も変化が大きい時期なので、
喜びとともに、ストレスや不安も多く感じます。

そこで、この記事では、妊娠初期から産後にかけて、女性の心にどんな変化が起こるのか、
心理学、特に、精神分析学の観点からご紹介します。

もちろん、「人それぞれ」なので、すべての人にあてはまるわけではありませんが、
『お母さんになる心の準備』をしている女性について、理解する一助にしてください。

【「娘」から「母」へ】
まず、妊娠・出産にともなう、心の変化として一番大きいものは、
「娘」の時代が終わり、「母」になることです。

すぐれた精神分析家で、乳幼児精神科医の、ダニエル・N・スターンは言います。

「あなたはこれまで、ご自分の母親にとっては娘であり続けてきたので、
その関係はよかれ悪しかれずっとあなたのアイデンティティの中心にあったと思います。
こどもを授かるとあなたは娘であるというより、むしろ母親と身を重ねる、
つまり同一化するようになります。誰かの娘であった生活は過去のものとなり、
すばらしい可能性を秘めた、母親としての生活が始まるのです。

わずかな期間に生じるこの根本的変化のせいで、あなたは大きな何かを失うとともに、
すばらしいものを得るでしょう。
いずれにせよ、あなたは二度と単なる娘には戻りません。

こういうアイデンティティの変化もあって、ほとんどの女性が出産後に複雑な感情をもちます。

幸せなのに、悲しいのはなぜなのか。それは子どもを授かる喜びの反面、
背後に残してきたものへの悲しみがあるからなのです。」(参考文献 P12)

いかがでしょうか。
言葉にしにくい、根源的で繊細な気持ちを、とても美しい文章で表しています。

私は、女性が「娘」から「母」へと、変化するときに、悲しみや喜びなど、
色々な感情体験ができること、それ自体が豊かな経験です。

喜・怒・哀・楽、どの感情も、本来は優劣がありません。

感情に、よい・悪い、はありません。
妊娠中にあなたの感じることを、そのまま大事に味わい、
『お母さんになる心の準備』を進めていただけたらと思います。


出典:2012 創元社 ダニエル・N・スターン/ナディア・B-スターン/
アリソン・フリーランド 著 北村婦美 訳
『母親になるということ 新しい「私」の誕生』P12

(文:藤澤真莉)

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